【老人性イボ(脂漏性角化症)とは】顔や首に増える茶色いシミ・しこりの原因と皮膚科治療

老人性イボ(脂漏性角化症)は、加齢とともに顔や首に増える良性のできものです。茶色いシミやしこりとして現れ、それ自体ががんに変わる心配はほとんどありません。

主な原因は長年の紫外線と加齢で、見た目はほくろや皮膚がんと紛らわしいこともあります。

この記事では、原因や見分け方、皮膚科での冷凍凝固やレーザー治療、毎日の予防までをやさしく整理しました。気になる方が安心して次の一歩を選べるよう、順を追って解説します。

目次

老人性イボ(脂漏性角化症)は加齢とともに増える良性のできもの

老人性イボは、医学的には脂漏性角化症と呼ばれる皮膚の良性腫瘍です。加齢とともに顔や首、手の甲などに増える、茶色いシミやしこりを指します。

見た目が気になりやすい一方で、できものそのものが命に関わることはほとんどありません。まずは、どんなできものなのかを落ち着いて押さえておきましょう。

そもそも老人性イボはどんな皮膚のできものなのか

老人性イボは、皮膚の表面をつくる角化細胞が少しずつ増えてできる、盛り上がったできものです。触れると表面がザラついていたり、爪で引っかかったりすることもあります。

色は肌色に近いものから、褐色、黒っぽいものまでさまざまでしょう。「イボ」という名前がついていますが、ウイルスでうつる尋常性疣贅とは別物で、人にうつる心配はないと考えられます。

国内でも中高年の多くにみられるありふれたできもので、年齢を重ねるほど数が増えていく傾向があります。1つだけのこともあれば、顔や体に十数個と散らばることも珍しくありません。

脂漏性角化症と老人性イボは同じものを指している

病院で「脂漏性角化症」と説明されて戸惑う方は少なくありません。これは老人性イボの正式な病名で、両者は同じできものを指しています。

「脂漏」とは皮脂の分泌が多い状態を意味し、顔や頭、胸元など皮脂腺の多い場所にできやすいことに由来します。年齢を重ねた肌に現れることから、老人性疣贅と呼ばれることもあるでしょう。

別名と医学的な分類の早わかり

呼び名医学的な分類主な特徴
老人性イボ良性の表皮腫瘍加齢で増える盛り上がったできもの
脂漏性角化症同じできものの正式な病名皮脂の多い部位にできやすい
老人性疣贅同義の呼び名高齢の肌に現れやすい

顔や首にできやすいのには理由がある

老人性イボが顔や首、手の甲に多いのには、はっきりした理由があります。これらはいずれも、日ごろから日光にさらされやすい場所だからです。

長年の紫外線を浴び続けた肌では、角化細胞が刺激を受けて増えやすくなると考えられます。一方で、衣服で覆われた背中や胸にもできることがあり、紫外線だけが原因ではない点も覚えておくとよいでしょう。

日ごとの紫外線量は季節や時間帯で変わりますが、顔や首は一年を通してもっとも光を浴びやすい場所です。そのため、ほかの部位より早く、そして数多くできやすいと考えられます。

良性でも油断は禁物

老人性イボそのものは良性で、命に関わるものではありません。とはいえ、見た目がよく似た皮膚がんと区別がつきにくい場合もあります。

特に、急に大きくなる、色がまだらになる、出血するといった変化があるときは注意したいところです。自己判断せず、皮膚科で確かめてもらうほうが安心でしょう。

老人性イボができる主な原因は紫外線と加齢の積み重ね

老人性イボができる主な原因は、長年浴び続けた紫外線と、加齢による肌の変化の積み重ねです。さらに、体質や遺伝も発症のしやすさに関わると考えられています。

一つの要因だけで決まるわけではなく、複数の要素が重なって少しずつ現れてくるものだといえます。

長年浴びた紫外線が肌に残すダメージ

紫外線は、肌の細胞に少しずつダメージを蓄積させます。日光をよく浴びる地域や、屋外で過ごす時間が長い人ほど、老人性イボが増えやすいという報告もあります。

若いころに浴びた紫外線の影響が、何十年も経ってから現れてくる点が、この病気のやっかいなところでしょう。だからこそ、年齢にかかわらず日々の紫外線対策が、将来の肌を守る一歩になります。

屋外で働く時間が長かった方や、日焼け止めを使う習慣が少なかった世代では、顔や手の甲に目立ちやすい傾向があります。過去に浴びた光の量が、そのまま肌に刻まれていくようなものだといえます。

年齢とともに肌の生まれ変わりが乱れていく

肌は一定の周期で新しい細胞に入れ替わっていますが、年齢を重ねるとその周期が乱れがちになります。古い角質がうまく外へ出ていかず、表皮の細胞が部分的に増えると、盛り上がったできものとして表面に残ります。

加齢は誰にも避けられない変化です。そのため、老人性イボは年齢とともにありふれて現れるものだと受け止めておくと、必要以上に不安にならずにすむでしょう。

とはいえ、すべてを年齢のせいと諦める必要はありません。同じ年代でも、紫外線をよく防いできた肌では数が少ない傾向があり、日々のケアで差が出る部分も残されています。

体質や遺伝も発症に関わっている

家族に老人性イボの多い人がいると、自分にもできやすいと感じる方がいます。実際に、発症のしやすさには体質や遺伝的な背景も関わるとされています。

近年は、皮膚の細胞で起こる遺伝子の変化が、できものの形成に関係していることもわかってきました。ただし生まれつき決まった病気ではなく、紫外線対策などで進み方を和らげられる部分もあります。

毎日の刺激や生活習慣も後押しする

日々の暮らしで肌が受ける刺激も、老人性イボのできやすさに関わると考えられています。衣服やベルト、メガネのつるなどでこすれやすい場所では、繰り返す摩擦が引き金の一つになることもあるでしょう。

睡眠不足や喫煙など、肌の調子を乱しやすい習慣も間接的に影響する可能性があります。どれか1つだけが直接の犯人というわけではなく、小さな要素が積み重なって現れてくるものです。

裏を返せば、肌をいたわる暮らしは予防の土台になります。完全には防げなくても、進み方をゆるやかにする手助けにはなるはずです。

原因ごとの肌への関わり方と対策

要因肌への関わり方心がけたいこと
紫外線角化細胞を刺激し増殖を促す日焼け止めや帽子で防ぐ
加齢肌の生まれ変わりが乱れる保湿で肌の調子を整える
体質・遺伝できやすさに影響する変化を定期的に観察する

老人性イボの症状と見た目は時間をかけて変わっていく

老人性イボの症状と見た目は、時間をかけて少しずつ変わっていきます。初めは平らな茶色いシミのようで、やがて盛り上がり、表面がザラついたイボ状になります。

色も肌色から濃い褐色、黒っぽいものまで幅があり、同じ人でも部位によって表情が違うことがあります。

初期は平らな茶色いシミのように見える

できはじめのころは、肌の上に平らな茶色い斑点として現れます。この段階では、ありふれたシミやそばかすと見分けるのが難しいでしょう。

大きさは数ミリ程度のことが多く、痛みやかゆみもないため、気づかないまま過ごす方も少なくありません。

よく似たものに、平らな茶色いシミである老人性色素斑があります。こちらは盛り上がらないため、触れたときのザラつきや厚みの有無が、見分けの手がかりになることもあるでしょう。

進行すると盛り上がってイボのように膨らむ

時間が経つと、平らだった部分が少しずつ厚みを増し、表面に凹凸のあるイボ状へ変わっていきます。表面はカサカサとした角質で覆われ、まるで肌の上に貼り付けたような独特の見た目になるのが特徴です。

指で触れるとポロッと取れそうに見えることもありますが、無理にはがすと出血や炎症のもとになります。

見た目で気づきたい特徴

  • 境界がはっきりしている
  • 表面がザラザラ、またはカサカサしている
  • 肌に貼り付けたように見える
  • 色は肌色から黒褐色まで幅がある
  • ときどきかゆみを伴う

かゆみや引っかかりで気づく人も多い

老人性イボは基本的に無症状ですが、衣服や髪、アクセサリーが引っかかって初めて気づく方もいます。こすれて刺激を受けると、軽いかゆみや赤みが出ることもあるでしょう。

かいてしまうと傷になり、見た目の変化にもつながります。日常生活で繰り返し引っかかる場所にあるときは、治療を考えるきっかけになります。

髪をとかすたびに頭皮のできものが引っかかる、ひげ剃りで傷つけてしまうといった悩みもよく聞かれます。生活の動作とぶつかる場所にあるかどうかは、治療を選ぶうえで大切な視点になるでしょう。

体のどこにできやすいのか

できやすいのは、顔や頭皮、首、胸元、背中、手の甲などです。皮脂の多い部位や、日光を浴びやすい部位に目立ちます。

手のひらや足の裏にはほとんどできないとされており、この点も診断の手がかりの一つになります。

老人性イボとほくろや皮膚がんはどう見分けるのか

老人性イボとほくろや皮膚がんを見分けるのは、見た目だけでは難しいことがあります。形や色がよく似ているため、自己判断は禁物だと考えてください。

急に変化したできものは、皮膚科で詳しく確かめてもらうのが、安心への近道になります。

ほくろやしみとの違い

ほくろは色素を作る細胞が集まったもので、老人性イボとは成り立ちが異なります。とはいえ、黒っぽく盛り上がったものどうしは、肉眼では区別しづらいでしょう。

老人性イボは表面がザラついて貼り付いたように見えるのに対し、ほくろは比較的なめらかなことが多いといわれます。ただし例外も多く、見た目の印象だけで決めつけるのは避けたほうが無難です。

とくに気になるのは、最近新しくできたものや、急に色や形が変わったものです。長年ほとんど変わらないものより、近ごろ現れて変化しているもののほうが、確かめておく価値が高いといえるでしょう。

皮膚がんと紛らわしいできものもある

黒っぽい老人性イボの中には、悪性黒色腫(メラノーマ)という皮膚がんと見分けにくいものがあります。左右非対称、輪郭がギザギザ、色むらが強い、直径が大きい、短期間で変化するといった特徴があるときは、より慎重な確認が必要です。

反対に、本当はメラノーマなのに老人性イボそっくりに見える例も報告されており、専門家でも判断に迷うことがあります。

ダーモスコピーなら皮膚科で詳しく確かめられる

皮膚科では、ダーモスコピーという拡大鏡を使って、できものの内部の模様を観察します。肉眼では見えない構造を確認できるため、診断の精度が上がります。

老人性イボに特有の模様と、皮膚がんを疑う模様を見比べることで、切らずに見当をつけられる場合も多いでしょう。それでも判断が難しいときは、組織を一部採って調べる検査で確定診断を行います。

自分だけで判断しないほうがよい理由

見た目の印象だけで良性と決めつけてしまうと、まれに隠れている皮膚がんを見逃すおそれがあります。とくに黒っぽく色むらが強いものや、短期間で姿を変えるものは注意したいところです。

反対に、良性なのにがんを心配しすぎて、長く不安を抱え込む方も少なくありません。気がかりなものを一度専門家の目で確かめてもらえば、どちらの場合でも気持ちが落ち着きやすくなります。

見分けの目安

見るポイント老人性イボに多い様子注意したい変化
表面ザラついて貼り付いたようなめらかで光沢が出てきた
均一な褐色から黒一部だけ濃淡がまだら
大きさの変化ゆっくり進む短期間で急に拡大

老人性イボの治療は皮膚科でいくつかの方法から選べる

老人性イボの治療は、皮膚科でいくつかの方法から選べます。代表的なのは液体窒素による冷凍凝固、レーザーで削る方法、電気で焼く方法などです。

できものの大きさや厚み、部位、肌質によって向き不向きがあり、医師と相談しながら方針を決めていきます。

液体窒素で凍らせて取り除く冷凍凝固

冷凍凝固は、マイナス196度の液体窒素を綿棒やスプレーで当て、できものを凍らせて取り除く方法です。短時間で行え、多くの皮膚科で受けられる身近な治療といえます。

当てたあとに水ぶくれやかさぶたができ、数日から数週間かけて自然にはがれていきます。色素沈着が残ることもあるため、顔など目立つ部位では当て方を細かく調整します。

1回で取り切れないこともあり、数回に分けて当てていく場合があります。厚みのあるものほど回数がかかりやすく、肌の様子を見ながら間隔をあけて続けていく流れになります。

炭酸ガスレーザーで削り取る治療

炭酸ガスレーザーは、できものの組織を蒸散させて削り取る方法です。深さを細かく調整できるため、輪郭をきれいに整えやすい利点があります。

出血が少なく、一度の処置で取り切れることが多いのも特徴でしょう。施術後はかさぶたができ、肌が再生するまで保護が必要になります。

主な治療法の特徴

治療法どんな方法か向いているケース
冷凍凝固液体窒素で凍らせる小さく数の多いできもの
炭酸ガスレーザー組織を削り取る輪郭を整えたい盛り上がり
電気焼灼電流で焼いて取る厚みのあるできもの

電気で焼く方法やその他の選択肢

電気焼灼は、高周波の電流でできものを焼いて取り除く方法です。厚みのあるイボにも対応しやすく、削った断面を同時に処理できます。

このほか、はさみやメスで削ぎ取る方法や、海外では高濃度の過酸化水素を塗る外用薬の研究も進んでいます。それぞれに利点と注意点があるため、自分の状態に合うものを医師と一緒に選ぶことが大切です。

治療後の肌を守るためのケア

どの治療を選んでも、施術後の肌は刺激に弱い状態になっています。かさぶたを無理にはがさず、自然にとれるのを待ちましょう。

治った部分は紫外線の影響を受けやすいため、日焼け止めでしっかり守ることが、色素沈着を防ぐうえで役立ちます。

かさぶたが自然にとれたあとも、新しい皮膚はしばらくデリケートな状態が続きます。こすらず、やさしく扱うことを心がけると、きれいな仕上がりにつながりやすいでしょう。

老人性イボを増やさないための予防と毎日の肌ケア

老人性イボを完全に防ぐ方法は今のところありませんが、紫外線対策と保湿を続けることで、進行や新しい発生をある程度抑えやすくなります。

特別な道具は要らず、毎日の習慣の積み重ねが、将来の肌を守る土台になります。

一年を通して続けたい紫外線対策

紫外線は夏だけでなく、一年を通して肌に届いています。日焼け止めは季節を問わず使い、汗で落ちたらこまめに塗り直すのがコツです。

帽子や日傘、UVカットの衣類を組み合わせると、塗り残しやすい首や耳もしっかり守れます。屋外で過ごす時間が長い日ほど、対策を意識しておきたいところでしょう。

紫外線は窓ガラスをある程度通り抜けるため、室内で過ごす日でも油断はできません。日差しの強い時間帯の外出を少し控える工夫も、肌への負担を和らげる助けになります。

肌のバリアを守る保湿

乾燥した肌は刺激に弱く、ちょっとした摩擦でも傷つきやすくなります。入浴後はできるだけ早く保湿し、肌のうるおいを保ちましょう。

肌の調子が整っていると、かゆみや引っかきによる悪化も起こりにくくなります。

洗顔やボディソープも、ゴシゴシこすらず泡でやさしく洗うのがコツです。摩擦を減らすだけでも、肌への余計な刺激を抑えやすくなります。

気になっても自分で無理に取らない

盛り上がったできものは、つい気になって触ったり、はがしたくなったりするものです。けれども、自分でいじるのは避けてください。

無理にはがすと出血や細菌感染を起こし、跡が残ることがあります。市販のイボ取りも、老人性イボには向かない場合が多いといえます。気になるときは触らず、皮膚科で相談するのがいちばん安全な近道でしょう。

今日から続けたい習慣

  • 日焼け止めをこまめに塗り直す
  • 帽子や日傘で顔と首を守る
  • 入浴後はすぐに保湿する
  • 患部をこすったり引っかいたりしない
  • 気になる変化はメモや写真で記録する

老人性イボで皮膚科を受診する目安と注意したい変化

老人性イボで皮膚科を受診する目安は、急に増える、大きくなる、色がまだらになる、出血するといった変化が出たときです。こうしたサインは、ほかの病気との区別が必要な合図でもあります。

見た目が気になって生活に支障があるときも、遠慮なく相談してよいでしょう。

すぐに皮膚科へ相談したいサイン

短期間でできものが急に大きくなった、形がいびつになった、色の濃淡がまだらになった、繰り返し出血する、強いかゆみや痛みが続く。こうした変化は、できるだけ早めに皮膚科へ相談したいサインです。

良性の老人性イボであっても、こうした変化があれば一度確かめておくと安心できます。

判断に迷ったときは、変化のあるものから優先して相談するとよいでしょう。すべてを一度に診てもらう必要はなく、気がかりなものだけでも構いません。

受診を考えたいサイン

気づいた変化考えられることおすすめの行動
急に大きくなるほかの病気との区別が必要早めに皮膚科を受診
色がまだらになる良性以外の可能性も自己判断せず相談
繰り返し出血する刺激や別の病変触らず受診して確認

短期間に一気に増えたら一度受診を

これまで少なかった老人性イボが、短期間でいくつも一気に増えてきた場合は、体の中の病気が背景に隠れていないかを確認しておくと安心です。

まれに、体内の病気にともなって多発する例も知られています。頻度は高くありませんが、急な多発に気づいたら自己判断せず相談しましょう。

受診のときに医師へ伝えておきたい情報

診察では、いつごろからあるのか、最近どう変化したのか、かゆみや出血があるかを伝えると、診断の助けになります。気になり始めた時期の写真があれば、変化の様子を客観的に共有できます。

普段使っている薬や持病もあわせて伝えておくとよいでしょう。なお、この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断は実際に肌を診た医師の判断が基本になります。

診察そのものは短い時間で終わることが多く、必要に応じてダーモスコピーでの観察や検査を組み合わせていきます。気になることがあれば、その場で遠慮なく質問しておくと安心です。

受診をためらわなくて大丈夫

見た目の悩みは人に相談しにくく、受診をためらう方もいます。けれども、顔や首のできものは日常で目につきやすく、知らないうちに気持ちの負担になっていることも少なくありません。

良性かどうかをはっきりさせるだけでも、心がふっと軽くなることは多いものです。治療するかどうかは、確かめたうえでゆっくり決めれば十分でしょう。

よくある質問

老人性イボは自然に治ることがありますか?

老人性イボが自然に小さくなって消えることは、ほとんどないと考えられています。多くは年齢とともに少しずつ数を増やし、大きくなっていきます。

気になる場合は無理に取ろうとせず、皮膚科で適した方法を相談するのがおすすめです。良性であっても、見分けの確認をかねて一度診てもらうと安心でしょう。

老人性イボを自分で取るのは危険ですか?

自分でハサミや爪、市販のイボ取りなどで取ろうとするのは避けてください。出血や細菌感染を起こしたり、跡が残ったりする心配があります。

また、皮膚がんとの区別がついていないまま処置してしまうと、本来必要な検査の機会を逃すおそれもあります。気になるときは触らず、皮膚科に任せるのが安全です。

老人性イボと皮膚がんはどのように区別しますか?

見た目だけで区別するのは難しく、皮膚科ではダーモスコピーという拡大鏡で内部の模様を観察します。そうすることで、肉眼では分からない手がかりを確かめられます。

左右非対称や色むら、短期間での変化があるときは、より慎重に調べます。判断が難しい場合は、組織の一部を採る検査で確定診断を行います。

老人性イボはどのくらいの年齢から増え始めますか?

老人性イボは中年以降に目立ち始め、年齢を重ねるほど数が増えていく傾向があります。50歳を過ぎると、多くの人に一つ以上みられるという報告もあります。

一方で、20代や30代の比較的若い世代にできることもあり、決して高齢者だけのものではありません。早い時期からの紫外線対策が、将来の肌を守る助けになります。

脂漏性角化症は再発したり新しくできたりしますか?

治療で取り除いたできもの自体が同じ場所へ戻ることは多くありませんが、別の部位に新しくできることはあります。体質や加齢、紫外線の影響が続くためです。

新しく現れても過度に心配する必要はありません。気になるものが増えたときは、変化の有無を確かめる意味でも、皮膚科で相談すると安心できるでしょう。

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この記事を書いた人

野田真史のアバター 野田真史 池袋駅前のだ皮膚科 院長

医学博士 / 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

東京大学医学部卒業、同大学院医学博士課程修了。米国ロックフェラー大学への臨床研究留学、ニューヨーク州医師免許取得を経て、東京大学医学部附属病院助教を務める。2018年、池袋駅前のだ皮膚科を開院。

ニキビやシミといった身近な悩みから難治性の皮膚疾患まで、常に知識を研鑽し、適切な診断・治療を行うことを信条としている。

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