稗粒腫

稗粒腫(はいりゅうしゅ)とは、目の周りなどにできる白いブツブツのことです。自然に治ることは少なく、自分で除去しようとすると傷跡が残るリスクもあります。

ここでは、稗粒腫ができる原因、他の皮膚疾患との違いや見分け方、治療について解説します。

目次

稗粒腫とは?

稗粒腫

稗粒腫とは、目の周りや頬、額にできやすい皮膚表面の白く小さなブツブツのことです。
大きさは1〜2mmほどで、複数個まとまっていることが多く、触ると少し固さを感じます。
見た目が気になることが多いですが、痛みやかゆみはほとんどありません。

稗粒腫ができる原因

稗粒腫ができる原因

毛穴の内側にある毛包という部分に角質がたまることにより、症状が現れます。目元や頬のような皮膚の薄い部位で発生しやすく、脂性肌や中高年の方に多く見られる傾向があります。

具体的な原因はまだはっきりとわかっていませんが、皮膚の外傷や火傷、水疱症などの治療過程、ステロイド外用薬の長期使用、化粧品などの慢性的な刺激により皮膚バリアが損なわれることで、発症リスクが高まることがあると考えられています。[1]

また、外科的処置や皮膚の炎症、ピーリング後に皮膚が回復する過程で稗粒腫が形成されるケースも報告されています[2]

自然に治る?放置して大丈夫?

稗粒腫は自然に治る?放置して大丈夫?

乳児の場合は自然に消えることもありますが、成人以降では自然治癒は難しいとされています。[2]自己処理で押し出したり針でつついたりすると、炎症や色素沈着、傷跡が残るリスクがあります。

とくに、目元のように皮膚が薄くデリケートな部位では瘢痕化する可能性もあるため、注意が必要です。見た目や数が気になる場合などは、皮膚科で適切な診断や処置を受けることをおすすめします。

稗粒腫と他の皮膚疾患との違いや見分け方

稗粒腫と他の皮膚疾患との違いや見分け方

顔にできた白く小さなブツブツが、稗粒腫なのか、他の皮膚疾患なのか見分けることは、とても難しいです。見た目がよく似ていても、原因や経過、治療法は大きく異なります。

ここでは、間違えられやすい皮膚のできものについて、特徴や違いを解説します。

白ニキビ

皮脂が毛穴に詰まり、表面がふさがった状態で白く見える初期のニキビです。皮膚表面がやや柔らかく、触るとわずかに痛みを感じる場合があります。

放置すると、赤ニキビや黒ニキビ、黄ニキビなどに症状が進行し、炎症を起こしたり膿がたまったりする症状があらわれます。主に外用薬や内服薬で治療します。

汗管腫(かんかんしゅ)

汗を分泌するための汗管が皮膚の内側で増殖することで、皮膚が盛り上がる病気です。稗粒腫と同じように目の周囲にできやすく、黄色っぽい見た目をしています。

良性のできもののため、放置していても自然に治ることはありません。くり抜き法やラジオ波メスなどの手術にて除去する必要があります。

扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)

ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって生じるウイルス性のいぼのことです。ひっかき傷などをきっかけにして、ウイルスが感染することで起こります。見た目は平らに盛り上がった形で、桃色や灰褐色、もともとの肌の色に似た見た目をしています。

顔のほか手や足にもできやすく、液体窒素による冷凍療法、もしくはラジオ波メスで除去する必要があります。

脂腺増殖症(しせんぞうしょくしょう)

皮脂腺が肥大・増殖することでできる、1〜5mmほどの白〜黄色のやわらかい盛り上がりです。額やTゾーン、頬など皮脂の分泌が多い部位に発生し、30〜40代以降に多く見られます。時間とともに大きくなることがあり、ラジオ波メスによる除去が必要です。

水イボ(伝染性軟属腫)

ポックスウイルスによる感染症で、とくに小児によく見られます。表面がツルツルとしていて、水ぶくれのような見た目をしています。自然に治ることもあるため、症状によっては経過観察しながら、必要時はピンセットを使って除去します。

稗粒腫の治療方法

稗粒腫の治療方法

当院では、症状に応じて保険適用される圧出法や、自由診療のラジオ波メスによる治療をおこないます。

保険診療

圧出法

医療用の針でブツブツの表面に穴をあけ、患部をピンセットでつまむことで、ブツブツの原因となっている角質を小さな袋ごと除去する治療方法です。

個数にもよりますが、施術時間の目安は5分程度です。1回の施術で取り切れることが多いですが、個数が多い場合や症状によっては、複数回の施術が必要なこともあります。保険診療の適用ですが、一回に除去できる数には限度があります。

施術後に赤みや小さいかさぶたができることがありますが、通常は3〜7日で自然におさまります。洗顔や保湿系のスキンケアは当日から、メイクは翌日から可能です。刺激の強いスキンケアは、赤みが消えるまで数日控えてください。

自由診療

ラジオ波メス

高周波のラジオ波を利用して患部を焼却・切除する方法です。通常のメスに比べると傷口は小さく治りも早くなります。圧出法では取り切れないような、深くて大きな稗粒腫がある場合や、数十個以上の稗粒腫を1回の施術で取りたい場合は、こちらの治療が向いています。

施術時間の目安は10〜15分です。痛みが心配な方には、テープ麻酔・麻酔クリームを使用し、患部が深い場合は麻酔の注射をすることもあります。保険適用外の治療になります。

手術後は、1〜3日ほど赤みや腫れが出ることがあります。まれに内出血がみられることもありますが、1〜2週間ほどで自然に消えます。

洗顔や保湿系のスキンケアは当日から、メイクは翌日から可能です。刺激の強いスキンケアは、赤みが消えるまで数日控えてください。傷跡の赤みやくすみが1〜6か月続く場合があります。

池袋駅前のだ皮膚科の稗粒腫治療の流れ

医師による診察の様子

稗粒腫は見た目が小さくても、市販薬では効果がなく、自己処理で無理に押し出すと、炎症や色素沈着、傷跡が残るリスクがあります。肌へのダメージに配慮した丁寧な除去を行うためにも、自己判断せず、まず医師に的確な診断をしてもらいましょう。

当院では、皮膚科専門医が、患者さま一人ひとりの肌の状態を診察し、稗粒腫かどうかを見極めたうえで、圧出法またはラジオ波メスなどからご希望に応じた治療方法を提案、施術します。複数の稗粒腫を除去したい方や、繰り返す症状にお悩みの方も、安心してご相談ください。

稗粒腫治療の費用

保険診療

※3割負担の場合に必要な費用の目安です。
※都内在住で高校生までのお子様は実費0円です。

初診料約900円
再診料約400円
処方料約200円
できものの拡大鏡検査約200円
できものの手術(月に1つまで)約7,000円~14,000円
稗粒腫の摘除(1回10個まで)約1,000円

自由診療

下記の施術は、公的医療保険が適用されない自由診療(自費)です。

ラジオ波メスを使った除去料金
2ミリ以下 2つ11,000円(税込)
3ミリ以上 1つ11,000円(税込)

稗粒腫に関するよくある質問

稗粒腫に関するよくある質問
稗粒腫は自分で取れますか?

針やピンセットを使用しての自己処理はおすすめできません。患部のできものを無理に押し出すと皮膚に小さな傷ができ、細菌感染を起こすリスクや、赤みや腫れが生じる場合があります。

とくに、目元など皮膚が薄い部位では、少しの刺激でもダメージが残りやすいです。自己処理は避け、まずは皮膚科医にご相談ください。

保険診療と自由診療の違いや費用について教えてください

保険適用が可能な圧出法は、診察料を含めて1,000円前後(3割負担時)で受けられます。ただし、1回にとれる個数には制限があります。

ラジオ波メスによる除去は自由診療となり、数や大きさによって1〜2個で11,000円(税込)程度が目安です。一度に数十個の除去をご希望の場合や、大きく深い稗粒腫がある場合は、自由診療が適しています。治療法や費用についてご不明な点があれば、診察時に医師へお伝えください。

稗粒腫でお悩みの方は池袋駅前のだ皮膚科へご相談ください

稗粒腫は見た目の悩みだけでなく、自己処理によるトラブルのリスクもある皮膚疾患です。保険診療・自由診療の選択肢があり、症状や数に応じて適切な治療は異なります。

当院では、皮膚科専門医が肌へのダメージに配慮した丁寧な治療を行っています。稗粒腫でお悩みの方、他の皮膚疾患と見分けがつかないという方は、池袋駅前のだ皮膚科へお気軽にご相談ください。

【池袋駅前のだ皮膚科|野田真史 監修】

参考文献

[1]日本皮膚科学会:皮膚科Q&A「Q10 眼のまわりに白いぶつぶつができて、これも“しぼうのかたまり”の一種だといわれました。これは何ですか?」
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa17/q10.html

[2]Stefanidou, M. P., Panayotides, J. G., Tosca, A. D. (2002). Milia en plaque: A case report and review of the literature. Dermatologic Surgery, 28(8), 781–784.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1046/j.1524-4725.2002.01200.x

院長紹介

池袋駅前のだ皮膚科院長 野田 真史
池袋駅前のだ皮膚科院長
野田 真史
池袋駅前のだ皮膚科院長 野田 真史


学歴・資格

東京大学医学部医学科卒業

皮膚科専門医(日本皮膚科学会認定)

医学博士(東京大学大学院医学系研究科)

ニューヨーク州医師免許

ECFMG certificate(アメリカ医師国家試験合格証)

Master in translational science(米国ロックフェラー大学)

米国ロックフェラー大学皮膚科 (Associate Attending Physician)


略歴

2007年
東京大学医学部医学科 卒業
2009年
東京大学医学部附属病院 初期研修修了
2009年 2014年
東京大学皮膚科に入局し、東京大学医学部附属病院、関東労災病院で皮膚科医として勤務
米国Northwestern大学、Thomas Jefferson大学で診療研修
2013年
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医取得
2014年
東京大学大学院医学系研究科卒業、医学博士
米国ロックフェラー大学
Instructor in Clinical Investigation
兼 Associate Attending Physician
ニューヨーク州医師免許を取得し、診療にあたる
湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬、円形脱毛症の研究に従事し、Master in translational science(MSc)取得
2016年
東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教
2018年
池袋駅前のだ皮膚科 開院
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